1月17日、虎ノ門にあるニッショーホールで「リアル鬼ごっこ」の試写会を見てきました。

最初から最後まで主人公の少年(佐藤翼)はとにかく走ります。これでもかというぐらい走ります。
それは生きるため。なぜなら黒い仮面で顔を隠した“鬼”に捕まった人間は皆、殺され...

この映画を見る前に知っておいて欲しい言葉がひとつあります。それは...
「パラレルワールド」
アニメ“ひぐらしのなく頃に”などにも登場するこの「パラレルワールド」という言葉。
これは、全く同じ人間が生活している2つ以上の世界のことを指します。

例えばAという日本とBという日本の2つの日本が存在していると想像して下さい。
Aの日本の住人は、Bという日本の存在を知りません。
Bの日本の住人は、Aという日本の存在を知りません。
でもAの日本にもBの日本にも同じ名前で同じ容姿の人が住んでいます。生年月日も命日(死ぬ日)も同じ。
ただ性格は異なることがあります。
Aの日本の私は穏やかな性格でも、Bの日本の私は凶暴な性格だったりするのです。

ここで本題に戻ります。
「リアル鬼ごっこ」という映画はこのようなAという日本とBという日本の2つを通して展開していきます。

Aという日本、これは私たちが今生活しているこの日本と全く同じです。
ただおかしな点が1つ。苗字が「佐藤」の人が次々と謎の死を遂げているのです。
事故だったり自殺だったり他殺だったり、死ぬ原因は様々ですが共通しているのは苗字が佐藤という点。

Bという日本。これは私たちが知っている日本とは少し異なります。
こちらの日本は10数年前から突然、王制となり、国を王様が統治しています。
この王様は常に仮面をつけていて素顔が分かりません。それに加えて王様は超能力が使えるというのです。
そんな王様がこんな命令を下しました。
「日本政府よりお知らせです。日本全国の佐藤さん。あなた達はあまりにも数が多いので、少し数を減らします。」

これが恐ろしいリアル鬼ごっこの始まりです。



ここからは感想です。

鈴木光司原作で映画化された「リング」以来、久しぶりに良いと思える映画です。
怖さだけでなく、考えさせられたり、人間模様が見えたり、人間の内面の弱さが見えたり、実に深い内容です。
終わり方に関しては賛否両論出そうですが、「人間とは何だ?」を考えるキッカケにもなるような良作です。

最も怖いのは妖怪や幽霊などではなく生きている人間なのだということを教えてくれる映画です。
「人を殺すような犯罪者は普通の人ではない」と考えてしまいがちですが、
人はある条件がそろうと、優しくて家族を大切にするような人も殺人者になるのです。

例えば戦争。
戦場で銃を乱射している兵士は、戦争が始まるまでは普通の市民で、家族や子供もいたりします。

地下鉄サリン事件を犯したオウム真理教の信者も同じ。
森達也さんのドキュメンタリー映画「A」でオウム真理教の信者の普段の様子が撮影されています。
私たちが想像しているイメージとは異なり、普通にテレビを見て普通に笑いあっている姿がそこにありました。
「オウムの信者は洗脳されているんだ」「オウムの信者はテロリストなんだ」
そういう風にテレビなどのメディアは伝えていましたが、実際の信者の姿は私たち一般人と全く同じなのです。

森達也さんはこう言います「優しくて善良なひとたちだからあの事件(サリン事件)は起きたのだ」

善良な人を殺人者に変えるある条件とは何か?いくつかありますが、その1つが集団です。
集団でいると物事を考えないようになります。誰かが左へ行こう!と言えば何も考えずそれに従ってしまいます。
1人の時ではできないようなひどいことを、集団ではできるようになってしまいます。例えば集団暴行。

リアル鬼ごっこに登場する鬼とは、集団でいることで感覚を麻痺させてしまった人たちといえると思います。

「苗字が佐藤だから殺される」という点は、1990年に実際にあったルワンダの大虐殺に似ていると思います。
ルワンダの大虐殺ではツチ族の人間という理由だけで多くの人が殺害されました。

(HemoHemo)

この記事のURL | 2008.01.21(Mon)22:54 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | この記事を編集する | 


 
プロフィール

Author:HemoHemo
ニュースサイトHemoSTATION管理人
武蔵小杉(川崎市)在住の大学生
1985年2月27日生まれ

最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク
FC2ブログ 紹介予定派遣 テンプレート制作:HEMOSTATIONKOSUGI